2025年10月21日
ペット(猫)が喜ぶキャットウォークをDIY!安全な動線を確保するためのはしご・ステップ活用術

愛猫のためにおしゃれなキャットウォークを作りたいけど、万が一、落ちたり壊れたりしたら…と不安に感じていませんか?
「DIYは好きだけど、猫の安全に関わることだから、強度が心配」という方は多いかもしれませんね。
その気持ち、私にはよく分かります。
私自身、産業用特殊梯子メーカーで技術ライターとして働く傍ら、週末はDIYを楽しむ愛猫家なんです。
この記事では、私が仕事で培った「産業機器の安全設計」の考え方を、ご家庭のキャットウォークDIYに応用するコツをお伝えします。
【この記事の結論】愛猫のための安全なキャットウォークDIY 3つの鉄則
- 鉄則1:強度は「壁の下地」で決まる
最も重要なのは、ステップを壁の裏にある柱(下地)にしっかり固定することです。下地センサーを使い、必ず柱のある場所に設置しましょう。- 鉄則2:猫が安心する「動線と寸法」を計画する
ステップの幅は20cm以上、段差は30cm〜40cmが目安です。猫がUターンできるよう「行き止まり」を作らない設計が怪我を防ぎます。- 鉄則3:耐荷重は「体重の2〜3倍」で考える
猫がジャンプした際の衝撃を考慮し、体重の2〜3倍の重さに耐えられる材料と固定金具を選びましょう。

なぜキャットウォークDIY?猫と暮らす上で知っておきたい3つのこと
猫の習性とストレス解消の重要性
猫は本来、獲物を狙ったり、外敵から身を守ったりするために、高い場所を好む動物です。
室内で暮らす猫にとって、上下運動ができる立体的な空間は、運動不足の解消だけでなく、精神的な安定にも欠かせません。
つまり、猫にとってキャットウォークは、ただの遊び場ではなく、心の安定剤のようなものと言えるんです。
高い場所から部屋全体を見下ろすことで、猫は安心感を得て、ストレスを軽減できるというわけですね。
DIYだからできる!愛猫に合わせた最適設計
市販のキャットタワーやキャットウォークも便利ですが、DIYの最大のメリットは、愛猫の性格や年齢、お部屋の構造に合わせて自由に設計できる点です。
例えば、高齢の猫には段差を低く設定したり、スロープ状の通路を取り入れたりできます。
一方、活発な若い猫には、少しアスレチックな要素を加えて、運動量を増やしてあげることも可能です。
既製品では実現できない、あなたと愛猫だけの最適な動線を作れるのが、手作りの醍醐味なんです。
安全のプロが語る「DIYで最も大切なこと」
どんなに素敵なデザインでも、安全でなければ意味がありません。
私たちが産業用のはしごや安全機材を設計する際に最も重視するのは「絶対に事故を起こさない」という点です。
これはキャットウォークのDIYでも同じです。
猫が安心して使えるキャットウォークを作るために、デザインよりも「強度」と「固定方法」に徹底的にこだわる必要があります。
設計のプロが教える!失敗しないキャットウォーク計画の立て方
安全なキャットウォークを作るためには、まず計画段階で「動線」「寸法」「強度」の3つのポイントをしっかり押さえることが重要です。
ポイント1:動線計画 – 猫が快適に使えるルートとは?
猫は、高い場所へ登るルートと降りるルートを複数確保できると、より快適に感じます。
特に重要なのは、行き止まりを作らないことです。
猫はバックが苦手なので、Uターンする際にバランスを崩して落下するリスクが高まります。
通り抜けられる設計、または十分な広さの休憩スペースを設けて、猫が安心して方向転換できる動線を確保しましょう。
窓の外が見える場所や、飼い主さんの様子を高いところから見守れる場所を組み込むと、猫はさらに喜んでくれますよ。
ポイント2:寸法設計 – ステップの幅と間隔の最適解
ステップ(棚板)の幅や段差は、猫の安全に直結する重要な要素です。
項目 | 推奨される最適解 | プロの視点からの注意点 |
---|---|---|
ステップの幅(奥行き) | 20cm〜25cm程度 | 猫が余裕をもって歩ける幅を確保。着地点は広めに設計するのがポイント。 |
ステップの段差(高低差) | 30cm〜40cm間隔 | 猫が無理なくジャンプできる高さ。高齢猫は18cm〜20cm以下に設定。 |
猫がジャンプする際には、着地点に体重以上の負荷(動荷重)がかかります。
特に着地点となるステップは、猫が体勢を立て直せるよう、幅を広めに設計するのがポイントです。
ポイント3:強度設計 – 簡単な耐荷重の考え方
難しい計算は不要ですが、安全を確保するための目安は知っておきましょう。
キャットウォークの強度設計では、「猫の体重の2〜3倍の重さに耐えられるか」を一つの目安としてください。
例えば、体重5kgの猫なら、10kg〜15kgの重さに耐えられる構造が必要です。
この強度を確保するために最も重要なのが、壁の材質を理解することです。
家の構造を理解することが、安全なDIYの第一歩です。
- 下地(間柱)がある場所:最も強度が高く、直接ネジ止めが可能です。
- 石膏ボードの空洞部分:専用のアンカー(カサ式、ねじ込み式など)が必要ですが、下地固定に比べ強度は劣ります。
下地センサーを使って、壁の裏にある柱の位置を正確に把握することが、安全なキャットウォーク作りの最大のポイントと言えます。
はしご・ステップの専門家が選ぶ!DIYにおすすめの材料と道具
材料選びのキホン:木材の種類と特徴
ホームセンターで手に入る木材の中から、キャットウォークに適したものを選びましょう。
木材の種類 | 特徴とメリット | 注意点 |
---|---|---|
SPF材(2×4材など) | 安価で手に入りやすく、加工しやすい。 | 湿気に弱い、反りやすいものもある。 |
パイン集成材 | 見た目がきれいで強度もある。 | SPF材より高価。 |
無垢材(杉など) | 爪かかりが良く、猫が滑りにくい。 | 反りやねじれが出やすいものもある。 |
猫が滑りにくいよう、表面加工されていない無垢材がおすすめです。
また、猫が触れるステップの角は、必ずサンダーや紙やすりで「面取り」をして、ささくれや鋭利な部分がないように丁寧に仕上げてあげましょう。
安全の要!固定金具(ブラケット)の選び方と注意点
ステップを壁に固定するL字金具や棚受けは、耐荷重性能を必ず確認してください。
特に注目したいのは、金具と壁を固定するネジ(ビス)です。
金具に付属しているネジが、必ずしもご自宅の壁の材質に合っているとは限りません。
- 下地への固定:木材用の丈夫なビスを選びましょう。
- 石膏ボードへの固定:専用のアンカー(トグラーアンカーなど)を別途準備する必要があります。
金具を選ぶ際は、付属のネジが壁の材質に合っているか必ず確認してください。
合わない場合は、別途アンカーなどを準備する必要があります。
これだけは揃えたい!安全に作業するための基本道具
良い道具は作業効率だけでなく、安全性も高めてくれます。
特に、以下の3点はDIY初心者の方でも揃えておきたい必須アイテムと言えますね。
- 電動ドライバー:ステップをしっかり固定するために必須。トルク(締め付ける力)調整ができるものがおすすめです。
- 水平器:ステップが傾かないように正確に取り付けるために使います。
- 下地センサー:壁の裏にある柱(下地)の位置を探すための道具。安全な固定に最も重要です。
【実践編】はしご・ステップを使ったキャットウォークの作り方
ここでは、安全性を最優先したキャットウォークの具体的な作り方を、4つのステップで解説します。
STEP1:壁の下地探しとマーキング
ここが一番大事な工程です。
下地センサーを使い、壁の中の柱(下地)を正確に探しましょう。
下地が見つかったら、ステップを取り付ける位置に鉛筆などで印をつけます。
柱にしっかり固定することが、落下の危険性をなくす最大のポイントになります。
賃貸などで壁に穴を開けられない場合は、ディアウォールやラブリコなどの突っ張り式の柱を設置し、その柱にステップを固定する方法を選びましょう。
STEP2:木材のカットと下準備
設計図通りに木材をカットします。
カットが終わったら、サンダーや紙やすりを使って、ステップの表面と角を滑らかに仕上げます。
猫が素足で歩く場所ですから、ささくれ一つないように丁寧に仕上げてあげることが大切です。
この下準備を丁寧に行うことが、猫の怪我を防ぐことにつながるんですよ。
STEP3:ステップ(棚板)の取り付け
ステップを壁に取り付ける際は、必ず水平器を使って、傾きがないかを確認しながら作業を進めます。
電動ドライバーでビスを打ち込む際は、最初に細いドリルで下穴を開けておくと、木材が割れにくくなり、ビスもまっすぐ打ち込めます。
ビスをまっすぐ打ち込む。この一手間が強度を大きく左右するんです。
下地がある場所に、適切な長さと太さのビスでしっかりと固定しましょう。
STEP4:はしごの設置と固定
既製品の木製はしごや、自作のステップを細かく配置した「はしご状の動線」を組み込みます。
はしごを選ぶ際は、猫の体重と動荷重に耐えられる強度があるか必ず確認してください。
市販の木製はしごのほか、室内用の固定ロフトはしごや伸縮ロフトはしごも選択肢として検討できます。
当社でも、インテリアに馴染むデザインの固定ロフトはしごや、収納可能な伸縮ロフトはしごを取り扱っており、オーダーメイドでの製作も承っています。
はしごは、垂直に設置するよりも、少し斜めに設置することで猫が昇り降りしやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q: 賃貸でもキャットウォークはDIYできますか?
A: はい、可能です。壁に穴を開けずに済む「ディアウォール」や「ラブリコ」といった突っ張り式の柱を活用する方法が人気です。
これらを使えば、原状回復が必要な賃貸住宅でも安心してキャットウォークを設置できます。
ただし、設置前に天井や床の強度を確認することが重要です。
Q: 猫がステップから滑り落ちないか心配です…
A: 対策として、ステップの表面に滑り止めの効果があるカーペット生地やコルクシートを貼るのがおすすめです。
また、ステップの幅を十分に確保し(20cm以上)、猫が余裕をもって歩けるように設計することも落下防止につながります。
Q: ステップの強度はどのくらい必要ですか?
A: 猫がジャンプして飛び乗る際の衝撃(動荷重)を考慮し、静止時の体重の2〜3倍程度の負荷に耐えられる強度を目安にすると安心です。
例えば体重5kgの猫なら、10kg〜15kgの重さに耐えられる金具や固定方法を選びましょう。
Q: 高齢の猫でも安全に使える工夫はありますか?
A: 高齢の猫のためには、ステップ間の段差を通常より低く(18cm〜20cm程度)設定し、スロープ状の通路を多く取り入れると良いでしょう。
また、全てのステップに滑り止めを施し、休憩できる広めのスペースを途中に設けてあげることも有効です。
Q: 完成したキャットウォークを猫が使ってくれません…
A: 新しいものに警戒している可能性があります。
お気に入りのおもちゃやおやつで誘導したり、飼い主さんが楽しそうにステップを触って見せたりして、少しずつ慣れさせてあげましょう。
また、設置場所が落ち着かない場所である可能性もあるため、人の出入りが少ない静かな場所への設置を検討するのも一つの手です。
まとめ
この記事では、産業用安全機材の専門家である私の視点から、愛猫のためのキャットウォークを安全にDIYする方法を解説しました。
プロの安全基準を取り入れたDIYのポイントは、以下の3点に集約されます。
- 動線計画:行き止まりを作らず、複数の昇降ルートを確保する。
- 寸法設計:ステップの幅は20cm以上、段差は30cm以下を目安とする。
- 強度設計:壁の下地を正確に探し、猫の動荷重を考慮した固定方法を選ぶ。
これらの基本を守ることで、誰でも見た目だけでなく、プロの基準を満たした安全なキャットウォークが作れます。
安全な環境づくりは、飼い主だからこそできる最高のプレゼントです。
皆さんの手で、愛猫にとって最高の遊び場を作ってあげてください。
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みなさん、お読みいただきありがとうございます!
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