鳥の巣を自分で駆除する前に確認したい安全チェック項目7つ|感染症対策から高所作業の注意点まで

「ベランダや軒下に鳥の巣ができてしまった……自分で撤去しようかな」と考えている方、ちょっと待ってください。
鳥の巣の駆除には、法律違反のリスク、感染症の危険、高所からの転落事故など、思わぬ落とし穴がたくさんあります。

この記事では、はしご・脚立メーカーの技術者という立場から、産業安全の知識を活かして「自分で鳥の巣を駆除する前に確認してほしい安全チェック項目7つ」を解説します。

【この記事の結論】自分で鳥の巣を駆除する前に確認すべき3つの鉄則

  • 法律違反に注意
    卵やヒナがいる巣を許可なく撤去するのは違法(鳥獣保護法違反)です。必ず空っぽであることを確認してください。
  • 感染症対策は必須
    ダニやフンによる健康被害を防ぐため、N95マスク、密閉型ゴーグル、使い捨て手袋を必ず着用し、フンは水や消毒液で湿らせてから処理してください。
  • 高所作業の危険性
    家庭用脚立で安全に作業できるのは高さ2m程度まで。2階以上の高所や不安定な場所にある場合は、無理せず専門業者に依頼してください。
鳥の巣駆除 安全チェック7項目
法律・感染症・装備・高所安全・手順・再発防止・判断基準の7項目を網羅。DIY前に必ずこのチェックリストで抜け漏れを確認しましょう。

鳥の巣の撤去は違法?鳥獣保護法で知っておくべきルールと罰則

安全機材の業界にいると、「法令を知らずに作業すること自体がリスク」という感覚が身に染みています。
鳥の巣の撤去もまったく同じです。

鳥獣保護管理法の基本|卵やヒナがいる巣は撤去できない

結論からお伝えすると、卵やヒナがいる巣を許可なく撤去するのは違法です。
鳥獣保護管理法第8条に違反すると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
「自分の家の敷地内だから」は通用しません。

合法的に撤去できるのは、次の2パターンだけです。

  • 巣作りの途中で、まだ卵が産みつけられていない状態
  • ヒナが完全に巣立った後の空っぽの巣

撤去前に双眼鏡などを使って、巣の中に卵やヒナがいないかを必ず確認してください。

卵やヒナがいる場合の対処法|自治体への相談と許可申請

フン害がひどくて巣立ちまで待てない場合は、お住まいの自治体に相談してください。
環境省の捕獲許可制度に基づき、生活環境への被害が認められれば、捕獲・採取の許可を得ることができます。

ただし、許可が下りるまでには時間がかかることもあります。
巣立ちまでの期間はおおむね40~70日程度ですので、その間は巣の下にシートや段ボールを敷いてフン害を軽減するなど、できる範囲の対策で乗り切りましょう。

鳥の巣駆除に最適な時期とタイミング|季節別の判断ポイント

タイミングを見極めることは、製造現場での安全作業と同じ。準備が9割です。

鳥の種類別|営巣から巣立ちまでの期間一覧

鳥の種類主な営巣時期抱卵期間巣立ちまでの日数合計目安
ツバメ4月~7月約14日約20~24日約40日
スズメ3月~8月10~15日12~17日約6~8週間
ムクドリ4月~7月約12~13日約21日約35日
ハトほぼ通年14~21日約40日約60日

ハトは年に複数回繁殖するため、「巣立ったと思ったらまた卵を産んでいた」ということも珍しくありません。
巣立ち後は速やかに撤去と再発防止策を講じてください。

ダニ被害が増える5~6月は要注意|巣立ち後すぐの撤去が鍵

鳥の巣に生息するトリサシダニは、ヒナが巣立つと吸血源を失い、代わりに人間を刺すようになります。
鳥がいなくなっても2~3週間は生存できるため、放置するほど室内への侵入リスクが高まります。

巣立ちを確認したら、できるだけ早く撤去と消毒を行うことがダニ被害を防ぐポイントです。

鳥の巣に潜む感染症リスク|ダニ・フンが引き起こす健康被害とは

製造現場でも粉じん対策は基本中の基本ですが、鳥の巣のフンやダニも同じ考え方で対処できます。

トリサシダニ・ワクモ・ノミ|巣に生息する害虫の種類と症状

  • トリサシダニ
    吸血性のダニで、人を刺すと強い痒みと赤い発疹が出ます。巣立ち後に室内侵入するケースが多く報告されています
  • ワクモ(鶏ダニ)
    夜間に活動する吸血性ダニ。巣が寝室の近くにある場合は就寝中に刺されることも
  • スズメサシダニ
    スズメの巣に多いダニで、同様に人を刺します
  • 鳥ノミ
    巣の周辺に大量発生することがあります

刺された場合は市販のステロイド外用薬で応急処置できますが、症状がひどいときは皮膚科を受診してください。

鳥のフンに含まれる病原菌|クリプトコッカス症・オウム病・サルモネラ

  • クリプトコッカス症
    ハトのフンに含まれる真菌が原因。乾燥フンの粉じんを吸い込むことで感染し、免疫力が低い方は肺炎や髄膜炎に進行するリスクがあります
  • オウム病
    厚生労働省の情報によると、鳥のフンに含まれるクラミジアを吸い込むことで感染し、高熱や肺炎を起こすことがあります
  • サルモネラ感染症
    鳥のフン由来のサルモネラ菌で腹痛・下痢・発熱などの症状が出ます

高齢者や小さなお子さんがいるご家庭では特に注意が必要です。
フンの撤去時は絶対にそのまま掃き集めず、必ず水や消毒液で湿らせてから処理してください。

鳥の巣駆除に必要な防護具と道具一覧|感染症対策の装備チェックリスト

道具の準備不足は、製造現場でもよくあるヒヤリハットの原因です。
安全機材メーカーの技術者として、正しい選び方をお伝えします。

身体を守る防護具|マスク・ゴーグル・手袋の正しい選び方

  • マスク
    花粉用や不織布マスクでは乾燥フンの微粒子を防げません。N95規格の防じんマスクを使用してください
  • ゴーグル
    密閉型を選びましょう。普通のメガネでは隙間から粉じんが入り込みます
  • 手袋
    使い捨てのゴム手袋かニトリル手袋を。軍手ではダニやフンが繊維の隙間から付着します
  • 服装
    長袖・長ズボン必須。使い捨てカバーオールが理想的です
  • 帽子
    巣材やダニが頭上から落ちてくることがあるので必ず着用しましょう

作業に必要な道具|殺虫剤・消毒液・ゴミ袋・新聞紙

ダニ駆除用殺虫剤、消毒用アルコール、ゴミ袋(二重にするため2枚以上)、古新聞(飛散防止用)、雑巾とバケツ、ヘラやスクレーパーを揃えてください。
ドラッグストアやホームセンターで一通り揃い、概算で3,000~10,000円程度です。

はしご・脚立を使った高所作業の安全対策|転落事故を防ぐ7つのポイント

ここからは、はしごメーカーの技術者として声を大にして言いたいことです。
家庭での脚立・はしごの事故は、正しい使い方を知るだけで大幅に防げます。

NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起によると、2017~2021年度の5年間で、はしご・脚立の事故は162件。被害者の約4割が60代以上で、事故原因の約半数が「誤った使い方や不注意」です。

脚立・はしごの正しい設置方法|安定した足場づくりの基本

  • はしごの設置角度は約75度
    足元から壁までの距離がはしごの長さの約4分の1になる位置が目安です
  • 地面の安定性を確認する
    砂利や傾斜のある場所は厳禁。平らで固い地面の上に設置してください
  • 開き止め金具は必ずロック
    「ちょっとだけだから」とロックしないのは典型的な事故パターンです
  • 天板(一番上の段)には絶対に乗らない
    重心が高くなりバランスを崩しやすくなります
  • はしごの上端は壁から60cm以上出す
    乗り移りの際に体を支えるためです
  • 昇り降りは必ず正面を向いて
    横向きや後ろ向きは足を踏み外すリスクが高まります
  • 身体の重心は脚立の幅の中に収める
    横に体を伸ばさず、こまめに脚立を移動させましょう

二人一組が鉄則|作業者とサポート役の役割分担

高所での鳥の巣撤去は、必ず二人一組で行ってください。
これは製造現場のKY活動(危険予知活動)の基本でもあります。

サポート役は脚立の固定、道具の受け渡し、安全監視、緊急時の対応を担います。
「今から上がるよ」「道具を渡すから片手でつかまっていて」など、声掛けも事故防止に効果的です。

自分でやるべきか業者に頼むべきか|高さと場所で判断する基準

以下に一つでも当てはまる場合は、無理をせず専門業者に依頼してください。

  • 巣の場所が2階以上の高さにある
  • 屋根の上での作業が必要
  • 脚立を安定して設置できる平らな地面がない
  • 換気口や軒天の奥など手が届きにくい場所にある
  • 高所に慣れていない、または体力に不安がある

家庭用脚立で安全に作業できるのは高さ2m程度までが目安です。
安全にかけるコストは「投資」。事故が起きてからでは取り返しがつきません。

関連記事: 高所作業事故の8割は防げる!安全対策のプロが教える、正しい梯子の選び方と使い方

鳥の巣を安全に撤去する正しい手順|消毒から廃棄までの流れ

作業手順を守ることが安全の第一歩。これは製造現場の作業標準書と同じ考え方です。

ステップ1~3:事前確認・殺虫処理・巣の取り外し

ステップ1:巣の中に卵やヒナがいないことを再確認します。迷う場合は撤去を見送りましょう。

ステップ2:巣とその周辺にダニ駆除用殺虫剤をスプレーします。勢いよく噴射しすぎると巣材が飛び散るので、やさしくまんべんなく噴霧してください。10~15分ほど浸透させます。

ステップ3:巣を消毒液や水で湿らせてから静かに取り外します。乾燥したまま取ると粉じんが飛散します。新聞紙の上に置いて、二重のゴミ袋に密封してください。

ステップ4~6:清掃・消毒・廃棄と室内対策

ステップ4:巣があった場所に消毒用アルコールとダニ駆除スプレーを噴霧し、拭き取ります。

ステップ5:乾燥したフンは絶対にそのまま掃かないでください。水や消毒液で湿らせてから、雑巾で拭き取るのが鉄則です。

ステップ6:密封したゴミ袋を自治体のルールに従って廃棄します。巣が換気口やベランダの近くにあった場合は、くん煙剤で室内のダニ対策も行いましょう。使用した防護具はすべて密封して廃棄してください。

鳥の巣の再発防止策|二度と巣を作らせないための対策グッズと設置方法

モノづくりの現場では再発防止が最重要です。
鳥の巣も同じで、撤去だけでは不十分。
一度巣を作った場所は鳥に「安全な場所」と認識されているため、物理的な対策が必要です。

物理的防御が最強|防鳥ネット・剣山・隙間塞ぎの正しい設置方法

  • ベランダ:防鳥ネットで開口部を覆う。ハト対策なら50mm目以下、スズメ対策なら20mm目以下
  • 軒下・庇の上:剣山(バードスパイク)を隙間なく設置。針の長さ15cm以上のものを選んでください
  • 換気口:ステンレス製の防鳥カバーや金網で塞ぐ
  • 戸袋:スズメやムクドリが好む場所。パテや金網で隙間を塞ぎましょう

忌避剤・視覚的対策の効果と限界|本当に効く対策・効かない対策

CDやフクロウの置物は一時的な効果しかなく、鳥は数日~数週間で慣れてしまいます。
忌避剤(バードジェルなど)も屋外では効果の持続に限界があります。
おすすめは「物理的防御をメインに、補助として忌避剤を使う」組み合わせです。

自分で駆除する費用 vs 業者に依頼する費用|判断に迷ったときの目安

安全にかけるコストは投資です。費用だけでなくリスクも含めて判断してください。

自分で撤去する場合の必要コスト|道具代の内訳

道具・装備目安価格
N95マスク(数枚入り)500~1,000円
密閉型ゴーグル500~1,500円
使い捨てゴム手袋300~500円
ダニ駆除用殺虫剤600~1,200円
消毒用アルコール400~800円
ゴミ袋・新聞紙・雑巾数百円
防鳥ネット・剣山(再発防止用)1,000~5,000円
合計約3,000~10,000円

脚立やはしごがない場合はレンタル費用(1日1,000~3,000円程度)も加算されます。

業者に依頼する場合の費用相場|場所・難易度別の料金目安

  • 手の届く場所の簡易撤去:1ヵ所6,600円~3万円程度
  • 2階以上で足場が必要な場合:5万~10万円程度
  • 換気口内部や設備の解体を伴う場合:10万円超のケースも

必ず複数社から見積もりを取りましょう。
自治体によっては駆除費用の助成制度(例:東京都江戸川区のカラス巣除去助成)を設けているところもあるので、お住まいの自治体に確認してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q: 鳥の巣を勝手に撤去したら本当に罰金になるの?

はい。卵やヒナがいる巣を許可なく撤去すると、鳥獣保護管理法違反で1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の可能性があります。
空の巣であれば撤去可能です。

Q: 鳥の巣のダニは人間にもうつる?刺されたらどうすればいい?

トリサシダニやワクモは巣立ち後に人間を刺すことがあり、特に5~6月に被害が増えます。
市販のステロイド外用薬で対処できますが、症状がひどければ皮膚科を受診してください。

Q: 鳥の巣の撤去に必要な道具はどこで買える?

ドラッグストアやホームセンターで一通り揃います。
マスクは花粉用ではなくN95規格のものを選んでください。
防鳥グッズは通販サイトでも入手可能です。

Q: 2階の軒下にある巣を自分で撤去できる?

はしごメーカーの技術者として、2階以上の高所は専用足場や高所作業車が必要になるケースがほとんどです。
業者への依頼を強く推奨します。

Q: 鳥の巣の撤去費用はいくらかかる?

自分でやる場合は道具代3,000~10,000円程度。
業者依頼は簡易撤去で6,600円~3万円、高所作業車が必要なら10万円超もあります。
自治体の助成制度の有無も確認してみてください。

Q: 鳥の巣を撤去した後、同じ場所にまた作られない?

高い確率で再び作られます。
撤去後は防鳥ネットや剣山で物理的に防御してください。
CDやフクロウの置物は鳥がすぐ慣れてしまうため、ほとんど効果がありません。

Q: 巣の撤去作業中に鳥に攻撃されることはある?

カラスなどは繁殖期(春~夏)に威嚇・攻撃してくることがあります。
ヘルメットを着用し、攻撃が激しい場合は撤退して業者に依頼しましょう。

まとめ

鳥の巣を自分で駆除する前に確認すべき安全チェック7項目を振り返ります。

  1. 鳥獣保護法の確認:卵やヒナがいる巣は絶対に撤去しない
  2. 駆除の適切なタイミング:鳥の種類ごとの巣立ち時期を把握する
  3. 感染症リスクの理解:ダニやフンによる健康被害を正しく知る
  4. 防護具と道具の準備:N95マスク、ゴーグル、手袋を必ず揃える
  5. 高所作業の安全対策:はしご・脚立の正しい使い方を守り、二人一組で作業する
  6. 正しい撤去手順の把握:殺虫→湿らせて撤去→消毒→密封廃棄の順番を守る
  7. 再発防止策の計画:防鳥ネットや剣山で物理的に侵入を防ぐ

これら7つをすべてクリアして初めて、安全に自分で撤去に取り組めます。
少しでも不安があれば、無理をせず専門業者に相談してください。

安全機材メーカーの技術者として断言します。
「準備なき作業に安全なし」。
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このコラムの監修者

寺本 隆

寺本 隆( 業界歴:40年 )

長年、建築や造園業の現場で特殊なはしごを開発し続けてきた当社は、「どんな要望にも応えたい」という強い信念のもと、持ち運びやすく緊急時に展開できる伸縮はしごを実現しました。例えば鉄道での迅速な避難に貢献し、多くの官公庁や大手企業で採用されています。お客様からの多様な要望に応え、業界で類を見ない製品を生み出してきた私たちは、“考えることをやめなければ不可能はない”と信じ、今後も唯一無二のはしごを創り続けることを使命としています。

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